ペットと暮らすシニアライフ

コラム⑥「ペットの保険」


ペットの病気や怪我が心配で動物病院へ通院する際、ペットの具合はもちろん心配ですがもうひとつ心配事があるのでは。それはずはり、治療費。今回はお金の話をしてみましょう。

元気のないわが子に最善の治療を望む一方で、「治療には一体いくらかかるんだろう?」と躊躇してしまう、、、そんな経験、私にもあります。

最初にヒトと動物の医療制度の違いついて簡単にお話しましょう。
現在、われわれは何からの公的医療保険に加入することが定められており、それを国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)と呼んでいます。通院する際には保険証を掲示すれば、特別な例を除いて保険が適用となり、実際に支払う金額は2~3割であることは皆さまご存じの通りです。また治療費においても、診療報酬で医療行為への対価が決まっているため、病院の規模が同じであれば診察料は全国どの病院も均一に請求されます。

一方ワンちゃんネコちゃんはというと、動物医療にはもちろん公的医療保険はなし。ですから、飼い主である私たちは動物病院では治療にかかる費用の全額(10割)を支払う必要があるわけです。治療に必要な検査はもちろん、投薬、手術もすべて10割負担。ワンちゃんの場合は犬種による体格・体重差が大きいので、体重によって投薬料や検査料金、入院費用も異なるのが一般的です。さらに、動物病院は「自由診療制度」であることが法律で定められいます。言い換えれば、動物医療に対する対価は動物病院がそれぞれ独自に設定しなければならない、ということです。

例えば、初診・再診料が無料のところもあれば3000円程のところもあったり、同じお薬の処方でも病院が変わればお薬代も異なるのが普通なのです。入院が伴う手術であれば病院が変われば数万円の差がでることも珍しいことではないのです。
そういうわけで、動物病院における治療費は一般の飼い主さんからすると不透明に感じるのではないでしょうか。

整備やサービスの差もありますので、料金の差がそのまま病院の良し悪しを決めるものではもちろんありません。オーナーご自身が納得のいく動物病院を選択し、ストレスなく獣医師と相談できる医療環境が、ペットには一番だと考えています。

ここまでで動物医療はヒトと違いちょっとお金がかかりそうね、ということはご理解いただけたと思います。では次は、実際に年間どれくらいのペットの医療費がかかるのか?具体的な金額を見ていきましょう。

ペットにかける年間支出調査

2014年・年間平均(円)
病気や怪我の治療費 80,912 49,875
ワクチン・健康診断等の予防費 28,311 12,902
合計 109,223 62,777

※ペットにかける年間支出調査(2014年)より一部抜粋 / アニコム損害保険株式会社

上記のデータはペット保険大手のアニコム損害保険株式会社が調査した「ペットにかける年間支出調査(2014年)」の結果より治療費や予防医療の部分のみを取り上げたものです。ワンちゃんで年間平均10万円?!ネコちゃんでも6万円?!と予想以上の金額。保険がきかないワンちゃんネコちゃんの医療費、手術や継続治療が必要な怪我や病を患ってしまうとあっという間にこんな金額になってしまうということですね。

愛するペットの万が一の時の医療費に備えようと、近年ではペット保険も人気。私たちの保険証と同じように動物病院の窓口清算可能なペット保険もあり、補償内容や特典もさまざまですから、ご検討されるのも良いと思います。実際に病気や怪我をしてからだと、加入を断られたり、加入できても免責事項がつくのは私たちの民間保険と同様です。

健康第一がもちろんですが、ヒト同様にいざというときの備えがワンちゃんネコちゃんにも必要ということですね。

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