愛犬とのシニア期の過ごし方

コラム③「トレーニングとルール」


ペットと人間が幸せに共存していくために、最低限のトレーニングやルールを守っていく必要があります。

飼い主さんが行って頂きたい3つの事をご紹介します。

◎ワクチン接種、ノミ・ダニ予防
1歳以上のワンちゃんネコちゃんには年に1回の混合ワクチンの接種を獣医師は推奨しています。またワンちゃんへ年に1回狂犬病予防接種を受けさせることは飼い主の義務として厚生労働省が定めています。

ペットのお散歩代行サービスや一時預り施設では、これらの接種証明書の提示を求められることもありますので、証明書は保管しておきましょう。ノミ・ダニ予防もかかりつけの獣医師の指導のもと、適切な対策をお勧めします。

日本では義務となっているのは狂犬病予防接種のみで、それ以外の予防医学は生活環境や飼い主さんの考え、ペットの持病や年齢によっても対処が様々なのが現状。ワクチン接種時期を調整している場合にはその旨を記録しておくとより安心ですね。


◎クレートトレーニング
クレートとはワンちゃんが入る持ち運び可能なケースを指します。狭くてかわいそうと最初に感じる方も多いクレートですが、実は犬にとってはこの狭さが快適なのです。

犬は本来野生であった時は巣穴で眠ったり休息をとったりしていました。その頃の本能が今でも残っているため、ちょうど自分の体が収まり屋根のあるクレートはワンちゃんにとって安心して寛げる空間なのです。

日頃からクレートに入る習慣が出来ている子は、ペットホテル利用時・ワンちゃん自身の入院・電車や車での移動時などもクレート内で落ち着いて過ごすことができるので、ワンちゃんの不安解消にも一役買います。

さらに飼い主さんに今後介護が必要になった際、ヘルパーさんに頼る場合もあるかと思います。全てのヘルパーさんが動物に慣れているわけではありませんから、場合によってはワンちゃんにクレート内で待っていてもらうことも必要になるかも知れません。

また、自然災害などにより予期せぬ避難を強いられた場合も、クレートに慣れているかどうかは非常に重要。クレートに慣れていないワンちゃんをクレートに入れた場合、驚いて吠え続けることもあります。

愛犬をクレートに慣らしておくことにデメリットはないとお考えください。


◎去勢・避妊
シニア世代の飼い主さんの中には健康な体にメスを入れるのは可哀そうという思いから、去勢・避妊手術に消極的である方が多いのも事実です。去勢・避妊は希望しない繁殖を防ぐ他にも、繁殖系疾病の発生リスクを抑える、発情によるストレス緩和などのメリットがあります。

もちろんメリットがあれば、肥満になりやすいなどのデメリットもあります。しかしながら飼い主がシニア世代の場合、私はワンちゃんネコちゃんの去勢・避妊手術を強くお勧めします。

入院などで急に家を空けなければいけなくなったとき、もしペットがヒート(発情)中であった場合のことを考えてみて下さい。

ヒート中でも利用できるペットホテルは多くはなく、もし身内に預かってもらう場合でも先住犬や先住猫がいれば、受け入れは難しいでしょう。ヒート中の動物は日頃よりハンドリングも難しくなります。またマーキング・スプレー行為を室内で始めてしまうと、その対処は本当に大変です。

去勢・避妊の効果が高く、術後の回復が早いのも若いうち。飼い主さんの決断によるわけですが、家族とよく相談してお互いの幸せのために積極的に考えていくべき事項だと思います。

シニア世代は無理せず、外部のサービスも上手に使って、ペットと暮らす元気な老後を過ごしてほしいと願っています。

コラム④「新しい家族の迎え方」

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